天神祭の神賑
天満市場の三ツ屋根だんじり

地車の誕生は江戸時代中期(享保年間)の大坂の夏祭。当時は、一夏で百台以上の地車が曳行されることもありました。幕末から明治にかけて、大坂の地車の台数は減っていきますが、その中で、かつての記憶を残す数少ない地車の一つが、天神祭(大阪天満宮)に出る天満市場の地車です。
ほとんどの地車は二棟造ですが、天満市場の地車は、地車のモデルとなった川御座船の形態に近い三棟造で、その特徴的な姿から「三ツ屋根だんじり」と呼ばれて親しまれています。
嘉永五年(1852)に新調され、数ある地車の中でも屈指の歴史を誇る天満市場の地車は、地車の新調にともなって、令和三年(2021)に、その役割を終えました。
本書は、百七十年にわたって受け継がれてきた三ツ屋根地車の記憶を、次の時代に伝えるために企画されたものです。担い手である天満市場地車講の協力の下、地車本体・彫刻・絵画史料・設計図をはじめ、天神祭と三ツ屋根地車の歴史を詳述。
摂河泉・瀬戸内海域に広がる地車文化圏、その原点にして最高傑作の一台といえる三ツ屋根地車の魅力をご堪能ください。
編 集:だんじり彫刻研究会
著 者:森田 玲
写 真:平田雅路
発 行:だんじり彫刻研究会
出版年:2022/06
定 価:2,750円(税込)
頁 数:50頁